私たちの話 -2013年8月、オープン間もないころの「あっぷる・ふぁーむ」の話
たった一種類の商品。
2013年7月7日、七夕の夜、あっぷる・ふぁーむは誕生しました。
あっぷる・ふぁーむは、安心で安全なおいしい食品を販売する
"食の通販サイト"です。
でも、今年は、たった一種類の商品しか扱いません。
長野県小布施町産の無農薬・無肥料のりんご、一種類だけ。
これには理由があります。
お売りしたいけれど、お売りできない。
私たちの最初の商品であるりんごは、収穫量がとても少ないのです。
豊作の時でも年間の総収穫量は650kg、個数にして3600個ほど。
6年もの歳月をかけて無農薬・無肥料栽培に成功したりんごですが、
今までは生産者の方と、その周りの方たちにしか知られていませんでした。
昨年秋、初めてこのりんごを手にし、味わった私たちは、
その自然のままの味に惚れ込み、
「このりんごを、もっとたくさんの人に味わってほしい。」
と考え、無謀にも通販サイトを起ちあげてしまいました。
ところが、申し込んでくださる方が増えても、りんごの数は増えません。
増えないどころか、病気や害虫や天災で、収穫ゼロという場合も有り得る。
お売りしたいけれど、お売りできない。
そんな事情を抱えて、あっぷる・ふぁーむはスタートしました。
あなたのりんごを、わけてください。
もしも、収穫量がご予約いただいた数に満たなかった場合。
私たちは、お客様に、こんなおかしなお願いをすることにしました。
「あなたのご予約数の中から、
他の方のために少しわけていただけませんか。」
たとえば10kgご予約いただいた方に、3kgで我慢していただく、
そんなことがある、ということです。
本当に勝手なお願いですが、
生産者の方がわが子のように大切に育てたりんごを、
どうしても、出来るだけたくさんの人たちに味わって欲しいのです。
確かなものだけを、確実に。
大切に作られた確かなものを選び、
出来るだけたくさんの方へ、適正な価格でお売りする。
それは、素晴らしい作り手を守ることにつながると思うのです。
だから今年は、たった一種類のりんごだけを、確実に販売します。
農家でも、通販のプロでもない私たちは、
こんな頑固で不器用なやり方で、
食の通販サイトを運営していこうとしています。
そうそう、私たちはこのりんごに、ちゃんとした名前をつけてやりました。
「信州紅太郎」(しんしゅう こうたろう)。
立派に苗字まであります。あっぷる・ふぁーむの自慢の長男りんごです。
あっぷる・ふぁーむと紅太郎を、どうぞよろしく。
2013年8月 あっぷる・ふぁーむ
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